シングルス全集(5)

さだまさし( 佐田雅志 ) シングルス全集(5)歌詞
1.軽井沢ホテル

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

誰もいなくなった テニスコートにひとつ
忘れ去られたテニスボールひとつ
まるであの日二人が置き去りにした
愛の様に折からの雨に打たれてた

部屋のぬくもりで曇った窓ガラスに
ありもしない家の間取りを書いた
無邪気なあなたが あの日静かに
ふと曇った僕の胸にサヨナラと書いた

軽井沢ホテルで別れた
白樺が霧に滲んで消えた
失くしてから気付くものたちは
かえらない分だけ悲しい
あゝ忘れられないのではなくて
あなたを 忘れたくないのだ

あなたは今頃 何処でこの歌を
聴いていてくれるだろうか
あるいはそれとも 思い出すのも
辛くて耳を塞いでいるかしら

女は自分が不幸だと思った時に
別れた人を思い出すと聞いた
それならばずっと あの愛のことは
思い出さずに居ることを 遠くで祈ってる

軽井沢ホテルの空から
雨の日は思い出が見える
どれ程深く刻んだ恋も
時のしずくに けずられてゆく
あゝ愛が哀しいのではなくて
自分の こころが哀しいのだ

軽井沢ホテルで別れた
白樺が霧に滲んで消えた
あゝ忘れられないのではなくて
あなたを 忘れたくないのだ


2.夢

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

あなたの腕の中が
狭くなった訳ではなく
私があなたの夢を閉じこめる
狭い篭になるのが怖いから

さよなら そう書きかけて
迷ったあげくの置き手紙
あなたに逢えた倖せなんて
月並みな言葉しか浮かばない

※人は誰でも無器用で
悲しくなる位無器用で
けれども誰にも夢があり
ぎこちない様な愛がある
私の夢はあなた
へたくそだけど 愛してた※

夢ならいつか覚めるよと
笑ったあなたが哀しかった
優し過ぎたら届かない
けど優しくなければ 夢じゃない

あなたは夢の大空を
高く高く飛んで欲しい
私が涙をもしも流すなら
あなたの翼が見えなくなってから

(※くり返し)

私の夢はあなた
へたくそだけど 愛してた


3.恋愛症候群


4.カーテンコール

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

バスが来たから お別れですね
今迄愛をありがとう
短かかったけど 私のトランクは
あふれる程の想い出ばかり

ふとよみがえる 昨日のラスト・ショー
手を振るあなた 何か叫ぶ声
光 ざわめき 手拍子が この胸を叩いて
喜び 悲しみ散りばめた カーテン・コール
歌おうと したけれど 声にならなかった

あなたのことや この町のことは
決して忘れない
私は何処かで 元気でいるから
誰かの為に 歌ってるから

ふと振り返る 陽だまりの中
手を振るあなた 何か叫ぶ声

さよなら さよなら さよならと 遠ざかる風景
喜び 悲しみ散りばめた カーテン・コール
笑おうと するけれど 涙があふれてくる

これが私の最后の歌 あなたにとどけ
歌おうと したけれど 声にならなかった


5.Once Upon a Time

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

窓を叩く雨に 無口な夜の寂黙
何時からだろうふたり 別々の夢を見てる
悲しくもなれぬ程 ほころびかけた愛に
何気なくラジオから 懐かしのプログラム

M1. 悲しき雨音(カスケーズ)
M2. BE MY BABY(ロネッツ)
ふたりが出会った あの日のメロディ

Once Upon a Time 卒業パーティの夜
丁度こんなどしゃ降り 濡れて歩いた そこへ
Once Upon a Time ポニーテール 赤い傘
つんと澄ました おせっかいな君に会った

今も覚えている 二十歳になった君を
初めて抱きしめた日の やさしいぬくもり
それからほんの少し 別れたことがあって
髪型を変えて君 また帰って来たね

M3. 500マイル(P.P.M)
M4. スカボロー・フェア(S & G)
生命かけて 確かめたはずの愛

Once Upon a Time 失くした訳じゃなくって
愛し合う事に慣れすぎただけさ
Once Upon a Time ねぇそう思わないか
僕たちはまだ「むかし」なんかじゃない
One More Time 僕が僕に戻って
君が君に戻ることが出来たら
One More Time きっとまだ間に合うから
もう一度 やり直してみないか


6.The Best for You

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

When I was young 今迄に
いくつもの恋を 重ねて来た
せつない恋 悲しい恋 卑怯な恋さえあった
I was alone 愛しても
何処か心に風が吹いていた
求めてばかりいたから いつもひとりだった

Nobody told me 誰ひとり
教えてくれなかった
Nobody loved me 私は
一度も愛されたことがなかった

初めて心から安らげる お前に会った
The Best for Me

静かに腕の中で
眠りにつく お前の横顔は
疑いのかけらもない それが愛だと語る様に

You never leave me お前だけに
荷物は持たせない
I never let you go 生命をかけて
守ると云わせて 今 私は

お前にふさわしい おだやかな愛になりたい
お前が心から安らげる人になりたい
The Best for You

The Best for You


7.春女苑


8.デイジー

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

君から言い出した別れなのに
さよならの響きに自分で驚いて
ふたつほど大きなため息ついて
あふれそうな涙こらえてる

も一度抱きしめて欲しいなんて
ぬくもりの中で恋を見送らせてと
最后の我侭君の髪の匂いの
向こうで揺れてた はち植えの デイジー

※忘れないで 僕だけは君の味方
たとえ別れても愛は変わらない
忘れないで いつまでも君の味方
たとえ世界を敵に回しても※

僕の胸に頬を 埋めたまま
出会った時の僕の台詞真似てみせて
決して未練じゃないよと前置きして
昔の事いくつか数えたあと

窓辺まで歩いて振り返って
愛なんて言葉がもどかし過ぎる程
愛してたと最后の台詞 君と
逆光線に 揺れてた デイジー

(※くり返し)

君から言い出した別れなのに
さよならの響きに自分で驚いて
愛してたと最后の台詞 君と
逆光線に 揺れてた はち植えの デイジー


9.男は大きな河になれ


10.チャンス

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

※さあ みんなで世界を作り直そう
一人は小さいけれど きっとまだ間に合うはず
さあ みんなで笑顔から始めよう
泣きながら笑えばいい 怒りながら笑えばいい※

チャンス それは誰にも
チャンス 平等にきっと
チャンス 与えられるべきもの 信じていいよ
チャンス ひとりひとりが
チャンス 生まれながらに
チャンス 選ばれた者たち

さあ 初めは「こころ」で願うことから
歩き始めたら二度と 道に迷わぬよう
さあ 自分で選んだ道 信じよう
疲れることばかりでも 泣くのはたどりついてから

チャンス それは誰にも
チャンス いつの日もきっと
チャンス 隣りを歩いている 気づいておくれ
チャンス 手をさしのべて
チャンス あきらめないで
チャンス 抱きしめてこの生命(いのち)

(※くり返し)

チャンス それは誰にも
チャンス 平等にきっと
チャンス 与えられるべきもの 信じていいよ
チャンス ひとりひとりが
チャンス 生まれながらに
チャンス 選ばれた者たち だから
チャンス それは誰にも
チャンス 平等にきっと
チャンス 与えられるべきもの 信じていいよ
チャンス ひとりひとりが
チャンス 生まれながらに
チャンス 選ばれた者たち It's a Chance


11.風に立つライオン

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

突然の手紙には驚いたけど嬉しかった
何より君が僕を怨んでいなかったということが
これから此処で過ごす僕の毎日の大切な
よりどころになります ありがとう ありがとう

ナイロビで迎える三度目の四月が来て今更
千鳥ヶ淵で昔君と見た夜桜が恋しくて
故郷ではなく東京の桜が恋しいということが
自分でもおかしい位です おかしい位です

三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分けたいと思ったことが沢山ありました

ビクトリア湖の朝焼け 100万羽のフラミンゴが
一斉に翔び発つ時 暗くなる空や
キリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何より僕の患者たちの 瞳の美しさ

この偉大な自然の中で病いと向かい合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど
何か大切な処で道を間違えたようですね

去年のクリスマスは国境近くの村で過ごしました
こんな処にもサンタクロースはやって来ます 去年は僕でした
闇の中ではじける彼等の祈りと激しいリズム
南十字星 満天の星 そして天の川

診療所に集まる人々は病気だけれど
少なくとも心は僕より健康なのですよ
僕はやはり来てよかったと思っています
辛くないと言えば嘘になるけど しあわせです

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は「現在」を生きることに思い上がりたくないのです

空を切り裂いて落下する滝のように
僕はよどみない生命を生きたい
キリマンジャロの白い雪 それを支える紺碧の空
僕は風に向かって立つライオンでありたい

くれぐれも皆さんによろしく伝えて下さい
最后になりましたが あなたの幸福を
心から遠くから いつも祈っています

おめでとう さようなら


12.道


13.遠い祭

作詞:さだまさし
作曲:さだまさし

幼い日 大人たちの
背中越しに垣間見た 秋祭
ときめきと 胸騒ぎ
少し寂しさの入り混じる 遠い祭

※華やかな悲しさに ふと息づまり
振りむけば祭囃子 闇に紅い灯
それに似た あなたへの恋は
煌きながら 去ってゆく
片恋は いつも
遠い祭※

てのひらに 握りしめた
風船がゆらりと 秋祭
水に写る 電球を
金魚の尾ヒレが消してゆく 遠い祭

ひとりきり はぐれた不安に息づまり
振りむけば祭囃子 闇に蒼い灯
そんな風に あなたへの恋は
めまいの中で 遠ざかる
片恋は いつも
遠い祭

(※くり返し)